内科の診療案内

糖尿病内科

糖尿病は、一般的には血液検査の数値で診断されますが、治療対象は「血液検査の数値」ではなく「内臓脂肪」であり、「内臓脂肪をため込糖尿病(2型)を含む生活習慣病の本質は、過剰な内臓脂肪によって生じるアディポサイトカインの分泌異常です。その結果として血糖値や血圧の上昇、コレステロールの質の異常を来し、動脈硬化が加速します。一般的には血液検査の数値で診断されますが、治療対象は「血液検査の数値」ではなく「内臓脂肪」であり、「内臓脂肪をため込んでしまう生活習慣」です。
糖尿病は生活習慣病の中でも治療に関する誤解が思いのほか多いのです。

糖尿病と生活習慣病にまつわる3つの誤解

1)「血糖を強力に下げる治療が有効」という誤解

糖尿病(2型)は過剰な内臓脂肪によるアディポサイトカインの分泌異常により、血糖を細胞の内部に運ぶインスリンが効きにくくなってしまう疾患です。このインスリン抵抗性と呼ばれる状態により、糖尿病(2型)では食後に上昇した血糖に対しインスリンが大量に分泌されることになります。
従来の糖尿病治療ではインスリン注射やインスリン分泌刺激薬を用いてインスリン抵抗性に打ち勝ち血糖を下げる治療が行われてきましたが、この治療戦略には「低血糖」と「さらなる内臓脂肪の増加」という2つの問題があるのです。
治療によって増強されたインスリン作用が強すぎると低血糖発作を起こしてしまいます。低血糖は心臓血管病の発症を著しく早めてしまうだけでなく、時に深刻な中枢神経障害を起こし致命的となることもあります。
また、インスリン作用によって血糖が細胞内に送り込まれると諸悪の根源である内臓脂肪が増加してしまいます。インスリン作用を高めることによる糖尿病治療は肝心である心臓血管病予防を予防することが出来ないばかりでなく、糖尿病の本質である内臓脂肪を増やし、インスリン抵抗性を高め、悪循環に陥ってしまうのです。
現在、心臓血管病の予防効果が科学的検証で確認されている糖尿病治療薬に共通している特徴は「低血糖を起こしにくく」、「内臓脂肪を減らす」効果があるものです。
当然ながら食生活や運動習慣の改善によって内臓脂肪を減らす取り組みは内服治療以上に大切です。
従って当院では「内臓脂肪を減らす総合的な治療のご提案」をいつも心がけています。

(2)食生活・運動習慣の改善は本人の意思次第」という誤解

内臓脂肪を減らす取り組みに近道はありません。
しかし、一度乱れてしまった生活習慣を意志の力だけで改善させるのはとても難しいこと。
王道を行くには、本人の意思を長く支える為の知識と戦略が必要なのです。

インキュベートの法則
みなさまは「インキュベートの法則」という行動心理学上の言葉をご存じでしょうか。
人間の性質として、良い習慣も悪い習慣も概ね21日間かけて固定されると言われています。最近ではより強い意志を必要とする取り組みはさらに長い期間を要するとの指摘もあるようです。しかし、現代生活にマッチした無理のない習慣であれば一か月弱で良い習慣を身に着けることが出来るというものです。
21日間という期間が正しいかどうかという議論はさておき、生活習慣病の負の連鎖を断ち切るには人間が生来持つ「習慣のチカラ」を意識して使いこなすスキルが必要不可欠です。
無理のない、ささやかで健やかな取り組み。それを一ヶ月毎に少しずつ重ねてゆきましょう。
当院ではまず、その日から着手できる食生活の改善をご提案しています。

(3)「太ってしまうのは食べすぎが原因」という誤解

食事療法として、「甘いものや白米の量を減らしている」という患者さまのお話をよく伺います。
確かに糖分や炭水化物を控え続ければ体重は減ります。
しかし、この考え方。大事なポイントが抜け落ちています。

「食べすぎ」は原因ではなく結果なのです。

日本人の主食である白米や、小麦粉から作られるパン・麺類。そして多くの飲料やスイーツに添加されている糖分は、食感や調理の事情で天然の食材を精製して作られたものです。これらの精製食材が胃腸に入ると急速に消化・吸収が行われるので血糖が急激に上昇し始めます。この血糖変動に対すべく、膵臓が大量にインスリンを分泌して血糖を全身の細胞に送り込むのですが、この過程で内臓脂肪が増加します。さらに、分泌された大量のインスリンはその後も作用し続け、急速に血糖を低下させてしまいます。

すなわち人間の消化吸収器官はこのような精製食材に適応できず、現代人は急激な血糖上昇による眠気やダルさ、その後の血糖低下による「腹持ちの悪さ」や「脱力感」に振り回されているのです。

「食べすぎ」という現象は、人間が進化の過程で獲得した能力で対応しきれない、現代食とのミスマッチによって生じた「結果」ととらえた方が良いでしょう。
大事なのは「食事量を減らす」のではなく、人間の消化吸収器官の限界と血糖変動のメカニズムを理解した上で「身体に適応した食材を選ぶ」ことです。2つの考え方は押さえどころが全く違います。
例えば玄米や胚芽精米、全粒粉のパン、そばなどは消化吸収がゆっくりと行われるので血糖の変動は緩やかです。反動による血糖低下も生じにくいので眠気や空腹を感じることもなく、一日を通して体調が安定します。結果として、食事の量も適度におさまるのです。
人間のカラダはとてもよく出来ていますよね。

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