糖尿病患者さんはインフルエンザにご注意を

糖尿病と感染症

糖尿病をお持ちの方はさまざまな感染症にかかりやすく、重症化もしやすいことがわかっています。その理由として、高血糖によって免疫に関わる白血球などの働きが低下してしまう点や、糖尿病による血管障害が原因で感染部位に酸素や栄養、免疫細胞が十分に到達しづらい点などが挙げられます。

インフルエンザと糖尿病

働き盛りである65歳未満の糖尿病患者さんと健康な人との間でインフルエンザ発症や入院リスクを比較したカナダの大規模調査では、糖尿病の方はインフルエンザがきっかけで入院するリスクが6%高かったことが報告されています 1)。高齢者の入院リスクが高いことは想像しやすいと思いますが、働き盛り世代でも糖尿病をお持ちの場合はインフルエンザによる入院が多いことがこの研究によって強調されました。

また、インフルエンザワクチンの有効性についても調査されており、「インフルエンザきっかけの入院」、「インフルエンザ肺炎による入院」を予防する目的として、糖尿病患者さんがワクチンを接種することはより効果的であることも示されました 2)

インフルエンザ感染において糖尿病患者さんは高リスクであり、ワクチン接種をはじめとした感染対策が大変重要と考えられています。

11月に入り、インフルエンザ感染で受診される方が更に増えております。糖尿病をはじめ持病をお持ちの方は特に注意しましょう。

参考文献:
1.Darren Lau et al. Working-age adults with diabetes experience greater susceptibility to seasonal influenza: a population-based cohort study. Diabetologia. 2014 Apr;57(4):690-8.


2.Darren Lau et al. Effectiveness of influenza vaccination in working-age adults with diabetes: a population-based cohort study. Thorax. 2013 Jul;68(7):658-63.

院長 角田昇隆

秋葉原内科シンシアクリニック
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内科・循環器内科・糖尿病内科・呼吸器内科