FreeStyleリブレによる血糖管理

糖尿病の治療薬は飲み薬と注射薬(インスリン製剤、GLP-1受容体作動薬)の2種類が存在しますが、注射薬使用中の方には血糖自己測定に対して保険が適用されます。血糖自己測定の一般的な方法とは、指先に小さな針を刺してから少量の血液を血糖測定器で測定するものになりますが、

  • 採血するたびに痛い
  • 測定に手間がかかる
  • 仕事中や会食時など、人前で測定するのがためらわれる
  • 睡眠中の血糖値が分からない(睡眠中に低血糖になっているかもしれない)
  • 測定回数が限られている(2型糖尿病患者さんでは月に最大60回まで、1型糖尿病患者さん、妊娠糖尿病患者さんでは月に最大120回まで)

などの欠点があります。

FreeStyleリブレとは?

FreeStyleリブレは、皮膚に貼り付けたセンサーに①血糖測定器(リーダー)もしくは②ご自身のスマートフォンを近づけることで、「いつでも」「どこでも」「何回でも」「簡単に」血糖を測定することができます。

センサーは2週間毎に交換します。リーダーには90日間分のデータが保存可能です。

センサーの貼り付け方法についてはこちら(⇒)をご参照ください。

スマートフォンで測定する場合は専用アプリ『FreeStyleリブレLink』をインストールしていただく必要があります。測定方法だけでなく、アプリの登録手続きも簡便です。スマートフォン操作に慣れていない方には、操作方法や登録手続きなどお手伝いさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

FreeStyleリブレでは、間質液中(細胞と細胞の中にある液体)のグルコース濃度を測定します。グルコースは血管→毛細血管→間質液→細胞の順で取り込まれるため、FreeStyleリブレで測定するグルコースの値と血糖値は厳密には異なりますが、これらは強く相関することが証明されています。

保険適用となる患者さんは?

  • 1型糖尿病の方
  • 2型糖尿病でインスリン製剤を使用している方

料金は3割負担の場合、1ヵ月あたり3,750円増えます。

<一般的な自己血糖測定との費用の比較>

1日3回測定の場合:3,510円/月

1日4回測定の場合:4,470円/月

ちなみにセンサーとリーダーは、承認を受けた薬局やAmazon、楽天などでも購入可能です。販売元によって値段は異なりますが、センサー1個:7,000~8,000円、リーダー1個:8,000~9,000円で販売されています。費用負担はかかりますが、インスリン製剤を使用していない糖尿病患者さんや、糖尿病ではないけれども血糖管理をしたい方も使用可能です。

FreeStyleリブレのメリットは?

(1)いつでも、どこでも、何度も測定可能

服の上からでも測定可能のため、人目を気にすることなく測定可能です。入浴、シャワー、運動など含めて日常生活に制限はありません。

(2)血糖変動を確認出来る

測定情報はグラフで表示されるため、食後高血糖や夜間低血糖など血糖変動を詳細に把握することができ、患者さんに合ったインスリン量を調整することができます。

(3)リブレViewに登録することでスムーズ診療が可能に

FreeStyleリブレを使用するにあたり、『リブレView』に登録していただくと、インターネットに接続した機器からご自身のグルコースプロファイル(詳細なレポート機能)を確認することができます。その他、医療プラクティスIDをご自身のリブレViewにご登録いただくと、医療機関側は患者さんの最新のデータを常に確認することが出来るため、外来受診の際はスムーズなご案内・診療が可能となります。

FreeStyleリブレを使用した感想

患者さんにお勧めするうえで、自分でも使ってみようと思い、実際に使用しました。

<個人的な感想>

  • センサー装着時の痛みはほとんど気にならない程度
  • センサー装着中の違和感は全くない(装着中であることを途中忘れてしまうほど)
  • シャワー、入浴、運動など行っても全く剥がれない
  • リーダー操作、スマホ操作はとても簡単。特にスマホ管理はとても便利。
  • 白ご飯、食パン、菓子パンを食べると血糖値がとても上がる
  • 甘いものを間食すると急激に血糖値が上がるので、リブレ装着期間中は間食を控えるようにしていた気がする(センサーを剥がした後は普段の食生活に戻ってしまった)

左図:私の血糖値の日内パターン(14日分)

黒線
14日間における各時間帯の中央値

青色帯(25・75パーセンタイル曲線)
各時間帯で、14日間のうち7日間はこの範囲内に血糖値が入ります

水色帯(10・90パーセンタイル曲線)
各時間帯で、14日間のうち約11日間はこの範囲内に血糖値が入ります

FreeStyleリブレを使用することで、より簡単に、より快適に、より詳細な血糖のデータを確認することができます。

FreeStyleリブレは当院でも対応しておりますので、今後使用してみたい方、もしくは現在使用中の方も、是非お気軽にご相談ください。

院長 角田昇隆

秋葉原内科シンシアクリニック
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町 1-6-5 アキバ・トリム B1F
内科・循環器内科・糖尿病内科・呼吸器内科